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自筆遺言と公正証書遺言の違いは?お勧めは公証役場で作成・保管する公正証書遺言

遺言書 2017.09.05

公正証書遺言が良い理由

遺言の書き手からすれば、自筆で作成されるほうが楽でしょう。

しかし、弁護士の立場としては、公証役場で作成されることをお勧めします。

理由としては、

 ①自作だと死後、有効性が争われる可能性が高い。

 ②自作だと隠滅される可能性がある。

 ③検認手続きが不要

相続人に疑問を抱かせる自筆遺言

ぼけていたのではないか?誰かに騙されたのではないか?

残された遺族が、このような疑問を抱くことは否定できません。

そういった場合、遺言の効力を裁判で争う方も多くいらっしゃいます。

裁判までいかずとも、それがきっかけで、姉妹間の仲が悪くなることがあります。

公正証書遺言であれば、証人の付添のもと、あなたが本心で作成したことを証明してくれます。

弁護士は遺言執行者として裁判所に選任され、遺言の内容を実現する業務を担当することが多くありますが、

自筆の遺言と公正証書遺言では、相続人とトラブルになる確率が断然に違います。

公正証書であれば、ほとんどの相続人が有効性に納得し、手続きに協力してくれます。

見つからない遺言書

遺言書は、1通しかつくりません。相続人1人つき1枚、という訳にはいきません。

そうすると、その1通の遺言書を、隠される、発見されない、といった事態が発生したとき、大問題です。

公証役場で作成した場合には、その正本を、公証役場が保管し、相続人は、遺言者の死後、全国の公証役場で、あなたの遺言書が保管されているか、検索、謄写をしてくれます

私たち弁護士も、遺言書を探すときは、まず公証役場をあたります。

検認手続きが不要

自筆で書いた遺言書は、死後、その形状を家庭裁判所で確認する「検認」というお披露目会があります。

この検認手続きを受けることは法律上の義務です。

検認は家庭裁判所に申込みが必要で、相続人全員が参加することができます。

この手続きだけで家族が裁判所に集められるという事態となってしまいます。

公証役場で作成した遺言書であれば、この手続きが不要で、検認の費用がかからなくて済みます。

車の保険と思って割り切る

公証役場では、公証人に手数料を払う必要があります。

公証役場は相談は無料なので、文案をもっていけば概算の手数料は分かります。

多くのケースでは、手数料は数万円で収まります。あなたの遺産をめぐって、相続人が何十万、時には百万単位で裁判をすることや、険悪になることを考えれば、必要経費と割り切って、公証役場で作成したほうが良いです。また、検認が不要となるというメリットもあります。

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