遺言書の体裁から金融機関が躊躇する。
Aさんは、亡くなる直前、面倒を見てくれた親族Bさんに「すべての遺産をゆずる」とだけ小さなメモ帳に手書きで書いて、亡くなりました。最低限、日付と氏名も書かれていたのですが、その字はあまりにたどたどしく、金融機関は、Bさんが遺言書を持参して解約手続きを申し込んでも、対応を拒否していました。
サリュが交渉代理を引き受ける
サリュは、Bさんから、金融機関との交渉代理の依頼を受けました。
サリュは、まず検認手続きを行い、これまでBさんがAさんの面倒を見ていたこと、Aさんの判断に誤りはないこと(判断能力があったこと)を金融機関に説明し、速やかに解約するよう求めました。
また、この遺言書が包括遺贈という類型の遺言書であれば、Bさんが相続人と同じ立場で、解約をすることができますが、仮に特定遺贈という類型に該当すれば、より複雑な手続きが必要となる事案でした。そのため、サリュは、この遺言が包括遺贈であることをあらかじめ金融機関に強く断りを入れて、交渉を進めました。
その結果、全ての金融機関の解約を終えることができ、税理士とも協力し、相続税の申告も済ませ、無事、解決しました。
遺言書の有効性とは?
法律では、自筆の遺言書の最低要件は、2つです。
①作成時に遺言能力(遺言の結果を判断する能力)があること
②日付、本文、氏名が自書されていること
一見単純ですが、紙や字の体裁が悪いと、①の遺言能力がなかったのではないかという疑念が生まれ、このケースのように金融機関とトラブルになることもあります。
そのため、サリュでは、遺言書の作成を引き受けるときには、公正証書遺言をお勧めしております。
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